自分の経験を生かせるスキルで、自分のペースで仕事をしたいと思いました。私がEコマースに携わったのはまさしく黎明期。誰も経験したことがない分野なので成功するまで続けることが大事だと考えていました。おかげで、家業を畳んだ際も、さまざまな会社から誘いをいただきました。52歳で食品メーカーを退職した後に、中小零細企業が安易にECサイトを立ち上げては行き詰まる事案をたくさん相談されるようになりました。
私が親の会社を継いだ時のことを思い出し、自分の経験と知識で手助けしたい、また地元への貢献をしたいと、Eコマースのコンサルタント業務を始めました。
・Eコマースの立ち上げ、運営支援
・WEBプロデュース、WEBディレクション
・各社の得意分野を伸ばしメーカー・商品等のブランディング
・IT導入省力化支援、スモールビジネスの提案
・SNSを活用したプロモーション
・食品の製造、卸、物流等支援の提案
・zoomでのweb展示会の支援
分野としては「IT」ですが、売り方を伝えることがメインです。コンサルに入る前には、商品の製造現場や出荷場面等を見学します。
コンサル先の会社の方に自分たちが考える強みと弱みを教えてもらうと、実際にはそれが正反対の場合もあります。会社の歴史やこだわりから一度離れてもらい、売れる商品の提案、売るための気づきを与えるようにしています。その際には、消費者感覚を忘れずに自分ならその商品を買うか買わないかという判断を冷静に行うようにと、アドバイスをしています。
静岡県産業振興財団や静岡商工会議所及び静岡商工会連合会、静岡市産学交流センター等から、専門家派遣という形で企業や事業所に伺います。
銀行から融資先の立て直しのコンサルとして派遣されることもあります。また、IT企業からの指導依頼もあります。
この業界の先輩が入居していて、当時私は自宅を事務所として活動していましたが、「公的な仕事をしているので、きちんと事務所を構えた方が良い」とアドバイスをもらいました。その先輩がすぐに入居の交渉してくれて、2020年7月から入居しました。
ここは静岡市の施設で商工会議所が運営していると取引先も知っているので、信頼感が高まります。大切な顧客との打合せで会議室を使えるのもありがたいです。
コンサル先へ訪問する時は、大抵直接出かけます。訪問がない時は事務所での資料づくりなどが多いです。仕事自体はパソコンがあればどこでもできるので、必ずしも事務所にいる必要はありませんが、週に数日、顧客と面談する時はここを利用します。
コンサル先の会社が繁盛すると私もとても嬉しいです。困っているお客様を目の当たりにすると一生懸命になってしまいますが、自分の健康を維持しながら無理しないように続けていきたいと考えています。
コロナ禍でEコマースの利用は、パソコン:スマホが6:4から1:9の割合に加速しました。それだけ多くの人があえて意識しなくても普通に使っているものになったということです。飲食店も、夜中でも対応できるWEB予約は必須です。今の世の中、商売に切っても切れないものなのです。
私は、「WIN-WIN」という言葉はあまり好きではありません。それよりも近江商人の「三方よし」のように、みんなが喜ぶ好循環を作りたいのです。Eコマースは顔が見えない相手をどれだけ口説けるかが勝負。企業や商品のファンづくりと考えています。失敗を繰り返してきた私自身の経験を生かして、お客様には同じ失敗をさせないという意識で仕事をしています。Eコマースで地元の産物の販路を全国に広げる。そのためのコンサルで地域に貢献し続けていきたいと思っています。