「創業支援(女性起業家) 」セミナー 報告

 

 

主催:静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者: 静岡商工会議所)

今年度の「創業支援(女性起業家)」セミナーは静岡市こどもクリエーティブタウン「ま・あ・る」の副館長の傍ら副業でパン屋を開業しているAL・ALBA代表の寺崎夕里子氏をお迎えして起業の経緯、現状、今後の課題、副業について等の話をしていただきました。

 

 

『人生を豊かにする「副業」へのチャレンジ ~自分の強みを活かし、人生の幅を広げるチャンス』

    AL ALBA 代表 寺﨑 夕里子 氏 

 

講師は静岡市清水区興津出身で、高校時代にカナダに一年間留学中、口にしたベーグルの美味しさに人生を変えるほどの衝撃を受け、後のパン屋開業に繋がる。大学卒業後は、洋菓子ブランドに入社し、百貨店で店舗運営に従事。プライベートでは離婚を経験。その後、一念発起して2017年、パンを学ぶため渡仏する。帰国後は、大手リテイルベーカリーで勤務しながら夜間に製菓学校で製菓やパン全般を学び、製菓衛生師を取得。2019年9月、ベーカリー店を退職し、同年10月静岡市こどもクリエイティブタウンま・あ・るに入社。各種企画・運営、クッキング講師を担当し、2020年11月副館長に着任。2022年3月に天然酵母パンと焼菓子の店「AL ALBA」を開業。休館日の水曜日と月に一度だけ土日に営業。勤務で多忙を極める傍ら、パン屋開業に向けて、2017年に創業者向けセミナー受講や、B-nestにて創業相談を受ける等して、2019年に事業計画書(5W2H)を作成した。清見寺町の実家の地所(旧国一から少し入り組んでいる)を活用し、地元のご近所の方を中心に、フランス式の対面販売で会話を楽しみながら天然酵母パンや焼き菓子を提供する。日常使いのため、価格は180円~300円台で、原価率は35~45%ほど。強みは、本場仕込みの製法でレーズン酵母を使用している点等。資金は、内外装や厨房機器等で1,400万円ほど。開業時は補助金を活用したが、自らも貯金もしていた。広報はInstagramとメニュー表のみだが、評判からInstagramを見て遠方から訪れる等、購入層は広がっている。オープンまでのタイムラインは、着工→厨房機器搬入→試作開発→仕入れ先決定・包装や備品の発注→オープンと13か月をかけている。起業して感じた良い点は、①新しい発見(顧客の反応。土地柄もあるが高齢者層が多い。ハード系を好む人が3割に増加)、②探求心(立地は悪いが、宝探し的な感覚で遠方から来店)、③出会い(週一回の来店で8-9割がリピート)、悪い点は①注文ミス(4回経験)、②時間管理(勤務、事業、家族、自由と、気持ちを完全に切り替える。子どもの学校と発表会の時間は必ず取る)、③健康管理(パン作りで徹夜もあるが、週一回ヨガ教室に通い、コントロールしながら楽しむ)。本業と兼業のメリットは、ライス(収入源)、ライフ(本業も兼業も興味がある場)、ライク(好きなこと)であり、程よい緊張感とやりがいを感じている。参加者に向け、起業の心構えとして、①やりたいことを明確にする、②自分だけの強みを持つ、③全てをかける覚悟を持つ、の3点を挙げた。今後の展望は、姉と一緒にスペインでパン屋をやること、心身の健康を意識した事業展開。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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